2025/5/23 [1/2日目]軽井沢ペンション・シルバーストーンに集う旅( 西部山麓農免道路、ハーモニックロード、メルヘン街道(麦草峠)、八ヶ岳ビューライン(松原湖)、下仁田街道(和美峠))
軽井沢のペンション・シルバーストーンに集う、会社OBの先輩達との一泊ツーリングに参加した。 昨年40周年を迎えたシルバーストーンは、元カワサキ世界GPチーム監督のケン鈴木(鈴木建夫)さんが、1982年にカワサキがWGPから撤退した後、軽井沢で開業されたペンションである。 昨年、開業40周年をむかえられたとのことである。
思い返せば、自分がこの先輩達とのツーリング・チームに初めて参加したのは2005年であった。 その頃には既に、トーハツ、ブリヂストンのエンジニアとして日本の二輪競技の創成期を支え、カワサキと共に名手コーク・バリントンを擁し世界GPタイトルまで上り詰めたケン鈴木さんとの交流は始まっていた。
その後、ペンション・シルバーストーンを訪れるようになると、日本経済を下支えする製造業で技術者を全うした先輩達とケン鈴木さんの、いつまでも色あせぬかつての仕事に対する情熱に触れることとなり、少なからず己の仕事観も影響を受けてきたような気がする。
さて今回の旅のでは、かつて三河から信州へ塩が運ばれた中馬街道国道153を走り出し、さらに天竜川が流れる伊那谷を水源の諏訪湖に向けて遡り、メルヘン街道こと国道299で八ヶ岳を越えて軽井沢を目指すルートをたどる予定である。
先輩幹事から詳細な工程表が配布されるので、思い々々のルートをたどり休憩場所や現地で合流できるのもこのツーリング・チームの恒例 、そしてまた天候に恵まれないのもこの旅の恒例かもしれない(笑)。
さてさて、前回のコロナ禍明けに再開したOBツーリングで訪れてから、三年振りとなるシルバー・ストーンに集う旅である。
当初は、今回もまた気ままな単独ルートをたどりながら、ペンション・シルバーストーンで本隊と合流する予定だったのだが...走り出しから想定外の雨に見舞われ、峠道主体の単独ルートを思い止まり盤石な本隊ルートに繋がることになった。 そして先輩幹事の、十数名がつながるマス・ツーリングを、滞りなく安全に進めるルーティングやトイレ休憩への配慮など、相も変わらずその段取りに感心させられる旅となった。
そしてまた、自分もリーマン稼業からの引退を間近に控える身となり、三年前に訪れた時に思い描いていた仕事の締めくくり方や、その先の生き様などをあらためて考えてみる旅ともなった。 たった一度の旅が永遠になるのがバイク旅、諸行無常の世の中ではあるが生きているうちは、人生の大切な節目として思い出に残したいものである。
幾度めになるだろうか、軽井沢のペンション・シルバーストーンに先輩達と集う
ルート概要
(1日目)
道の駅 信州平谷-国153→湯川-西部山麓農免農道→元山白山神社-県8→白山町3丁目-県15→座光寺スマートIC-ハーモニックロード(月夜平大橋展望台)→高森カントリークラブ-市道→リフレッシュタウン松川の里-県15→道の駅 花の里いいじま-県15→与田切-国153→飯島町役場入口-県215,県200→国153(バイパス)→道の駅 田切の里-県18(火山峠)→伊那市立富県小学校-県209,県10→三峰川橋手前-県209→小原-国152(杖突峠)→中央道側道→茅野(国20交差)-県197→茅野市運動公園-県188→小泉山-グリーンライン→福沢工業団地入口-国299(メルヘン街道、麦草峠)→レストハウスふるさと-県480(八ヶ岳ビューロード、松原湖)→松原湖入口-国141→八千穂高原IC-中部横断自動車道(無料区間)→佐久南IC-国254(内山峠)→下横間-県43(下仁田街道、和美峠)→南軽井沢-国18→塩沢-市道-ペンション・シルバーストーン
ツーリングレポート
かつて、三河湾でつくられた塩が南信州へ運ばれた塩の道、江戸時代には中馬街道と呼ばれた国道153が今回の旅の始まりとなる。 東海環状道豊田松平インターを降りると、尾張三河各地のツーリングメンバーと待ち合わせる予定の、伊勢神ドライブイン駐車場を目指して走り出した。
事前の天気予報では、二日目の午後から雨に降られるようだが、初日の晴れ間は終日持ちこたえてくれるはずである。 それゆえ待ち合わせ後には、国道153から伊那谷西側のハーモニックロードへと北上する本隊と別れ、峠道を繋ぐ単独ルートで伊那谷東側の伊那南部広域農道へと北上する目論見...であった。
しかし実際は、中馬街道の塩問屋がならんでいた足助を抜ける前に雨に降られ、慌ててレインウエアーを着込むことになってしまった次第である。 伊勢神ドライブインでメンバーと再会するとさらに雨脚は激しくなり、峠道を繋ぐ単独ルートへの迂回を諦めることになってしまった(泣)。
ちなみに、今回ルーティングを諦めた伊那谷東側の伊那山地麓を走る伊那南部広域農道は、伊那谷を挟んだ西両側にも敷設されている。 西側の伊那南部広域農道は、街中を抜ける生活道路ゆえに信号停止や交通量も多く、ツーリングのルート検索の際には注意が必要である。
走り出しの雨で断念した、伊那南部広域農道から伊那谷の景色(2022年7月撮影)
その後、伊勢紙ドライブインで思い々々の雨支度を済ませると、一向に雨脚が衰えぬ国道153に走り出し、軽井沢のペンション・シルバーストーンを目指す旅がスタートした。
それでも、三河愛知から南信州長野への県境を越えると、三河地方を覆う雨雲から抜け出して雨も小降りになり、道の駅信州平谷にたどりつくころには路面も乾いてきた。 しかし、予報を裏切る雨に見舞われ疑心暗鬼の晴れふら親父、レインウエアーを着込んだままトイレ休憩を済ませて走り続ける。
国道153道の駅信州平谷、やっと三河地方を覆う雨雲から抜け出した
道の駅信州平谷から走り出すと、治部坂峠(標高1,187m)で矢作川から天竜川への分水嶺を越えて、天竜川の水源諏訪湖に向けてさらに伊那谷を溯って行く。 そして、国道153が道なりに飯田市街にさしかかったところで、高台のリンゴ畑を貫ける西部山麓農免道路へと駆け上がった。
伊那谷を見下ろす西部山麓農免道路だが、伊那谷越しに南アルプス稜線を見渡せるポイントは限られる。 マス・ツーリングに繋がる今回はその景観の撮影は叶わず、かつてソロ・ツーリングで撮影した伊那谷越しの南アルプスの眺望を掲載させていただくことにする。
晴れた日の伊那谷を見下ろす西部山麓農免道路(2023年3月撮影)
その後、西部山麓農免道路を走りきって路地を貫けると、県道8,県道15を走り継ぎながら飯田市街を抜け、中央アルプスの南東麓、高森町の標高700m程度の高台を走るハーモニックロードへと駆け上がった。
ハーモニックロードは、天竜川が流れる伊那谷越しに南アルプスの稜線を望む快走ルート。 絶景ポイントの月夜平大橋展望台には十分な駐車スペースもあり、マス・ツーリングの休憩場所としても重宝する。
今回は生憎の曇り空だが、左手北側から南側へ、東岳(3,141m)、荒川中岳(3,083m )、赤石岳(3,121m)と、3,000mを越える稜線のシルエットを確認することが出来た。 展望台には、山々の名前と標高が表示された案内板が設置されており、名無しの名峰たちに名前を与える手助けをしてくれる。
ハーモニックロードの月夜平大橋展望台から、南アルプスの稜線を望む
伊那谷越しの曇り空に霞む、南アルプスの3,000m級の山々の稜線
月夜平橋展望台から再びハーモニックロードに走り出すと、暫くは若葉が眩しいリンゴ畑の中を快適にクルージングする。 そして終には、高森カントリークラブ前でハーモニックロードは終わり、中央道と並行する市道を経由して県道15へと走り継いだ。
月夜平橋展望台から瑞々しい若葉のリンゴ畑へさらに走り続ける
県道15に合流すると暫くは生活道路の流れに沿って移動し、昼食休憩を取る予定の道の駅花の里いいじまにたどり着いた。 食事やトイレ休憩を手際よく取れる道の駅は、大勢が繋がるマスツーリングの休憩場所として重宝する。 毎度のことながら、緻密な工程表通りのツーリングを段取る先輩幹事の腕前には感心させられる。
さて、道の駅花の里いいじまは中央アルプスの麓に位置し、伊那谷越しには南アルプスの峰々を一望できる道の駅である。 駐車場にたどり着くと早速、道の駅越しに冠雪が残る中央アルプスの稜線が出迎えてくれる。 左手南側から、越百(こずも)山(2,613m)、仙涯嶺(せんがいれい)(2,734m)、南駒ヶ岳(2,841m)、赤椰(あかなぎ)岳(2,798m)、田切岳(2,730m)、空木(うつぎ)岳(2,864m)と、特徴ある稜線は伊那谷を南北に移動する旅のランドマークになる。
道の駅花の里いいじま越しに、冠雪が残る中央アルプスの稜線を望む
そして昼食をとった食事処「みよし」では、地元食材を使った南信州料理を味わえる。 伊那地方を訪れると反射的にソースかつ丼を頼んでしまうのだが(笑)、今回は明日の復路でメニューが被らぬようにと、一番人気と称される「味駒丼」950円也を注文した。
味駒丼と聞いてもピンとこないかもしれないが、地元特産の信州味噌の甘辛いタレを纏った豚丼と言えばよいだろうか、添えられた地元野菜も良いアクセントになっている。
その他、伊那地方定番の「ソースかつ丼」、馬肉ステーキがのった「馬か丼」、地元蕎麦粉をつかった二八そば等々、メンバー思い々々の地元料理で腹を満たし昼食を終えた。
地元の甘辛い味噌タレをまとった豚肉と地元野菜が盛られた「味駒丼」950円也
道の駅花の里いいじまから走り出すと、県道15と並行する国道153、さらには国道153伊南バイパスへと走り継ぎ、道の駅田切の里から分岐する県道18で天竜川東岸へと渡った。
県道18は伊那谷の市街地からはずれ、天竜川東岸の伊那山地麓を走る快走ルートである。 三河地方の走り出しで雨に見舞われなければ、単独ルートをたどり伊那南部広域農道を経由して、この県道18へと走り継ぐ予定であった。
県道18で天竜川を渡り伊那山地麓のワインディングを北上する
さて、県道18に走り出してしばらくは天竜川沿いの緩やかな快走路が続き、さらには伊那山地北端の丘陵を越える火山峠へと駆け上がって行く。 九十九折れの峠道、幾重にもつながるお仲間のバイクを見上げながらマス・ツーリング気分を満喫する。
その後県道18は天竜川から離れ、火山峠で駒ケ根から伊那への市境を越える
そして、九十九折れの県道18で火山峠を越えると林間を抜け、天竜川支流の三峰川が流れる高遠盆地にむけて緩やかに下って行った。 その後、三峰川堤防を走る県道209を溯って高遠城址にたどり着くと、合流した国道152で杖突峠を越え諏訪盆地へと駆け降りることになる。
天竜川支流の三峰川堤防沿いの県道209を溯り高遠城跡を目指す
さて、高遠城址から国道152に駆けだして林間の快走路を抜けると、程なく伊那から茅野への市境を越える杖突峠(標高1,247m)に差しかかり、峠の茶屋駐車場でトイレ休憩をとることになった。 ここからは、茅野市街をぬけてロマンチック街道国道299へと駆け上がり、麦草峠を越えるまで休憩なしに一気に走り続ける行程となる。
杖突峠にある峠の茶屋駐車場でトイレ休憩、期待した諏訪盆地の眺望は望めず
峠の茶屋を飲食利用すれば二階の展望台から、八ヶ岳、霧ヶ峰、美ヶ原、北アルプスなどの山々、そして諏訪湖を一望することが出来るらしいが、その絶景を拝むのはまたの機会となった。 せっかくの絶景ポイントゆえ、以前のソロツーリングで杖突峠付近のビューポイントから撮影した眺望を再掲載させていただくことにする。
杖突峠から諏訪盆地に広がる茅野市街、その先に望む八ヶ岳の眺望(2022年7月撮影)
杖突峠から国道152の九十九折れを茅野市街に向けて駆け降りると、中央自動車道と交差してロマンチック街道こと国道299へと走り継ぐことができる。 道なりに国道299で茅野市街を貫けると混雑するので、中央道側道からグリーンラインへと迂回して、国道299に再合流するルートをたどった。
そして、茅野市街を抜けると田園風景が広がり、行く手正面には北の蓼科山(標高2,530m)から南の編笠山(2,530m)までの南北約30km、赤岳(標高2,899m)を最高峰とする八ヶ岳連峰が連なり、圧倒的な存在感で近づいてくる。
茅野市街を抜けると国道299は田園風景となり八ヶ岳連峰が迫ってくる
国道299が八ヶ岳の麓へとさしかかると、丸山(標高2,330m)と茶臼山(標高2,384m)の狭間で八ヶ岳を越える麦草峠(標高2,127m)への駆け上がりが始まる。 上り始めは別荘地を抜ける急勾配の九十九折れが続くのだが、平日のためか流れを止める大型観光車両にも遭遇せず、皆で快調に駆け上がって行った。
国道299で麦草峠へと駆け上がる、急勾配の九十九折れで一気に標高を稼ぐ
新緑に覆われた九十九折れを一気に駆け上がり標高を稼ぐと、麦草峠に向けてカラマツ林が広がる緩やかな快走路となる。 そしてしばらく、針葉樹の中で唯一落葉するカラマツ特有の、黄緑色でやわらかい新緑の中を快走すると、いよいよメルヘン街道最高地点の標識が立つ麦草峠にたどり着いた。 麦草峠の標高は2,127m、日本の国道第二の高さを誇る峠である。
ちなみに、国道第一位の標高は国道292の渋峠(標高2,172m)で、1992年に渋峠を含む志賀草津有料道路が無料化された結果のランキングである。 峠付近にはツーリング隊列が停まれる駐車スペースは無いので、ソロツーリングで峠を越えた時に撮影した写真を掲載させていただく。
メルヘン街道最高地点、国道299麦草峠(標高2,127m)の案内標識(2022年7月撮影)
麦草峠で長野県茅野市から佐久穂町への境界を越えてしばらく走ると、佐久穂町側へ下る白樺林に囲まれた九十九折れとなり、休憩場所のレストハウスふるさと駐車場にたどり着いた。
標高1,706mのレストハウスの展望所からは、佐久市そして小諸市の先に浅間山を望む絶景が広がっている...はずだが、雨が降り出さぬだけありがたい曇天で、その先に浅間山の稜線を望むことは叶わず。
国道299ロマンチック街道沿いのレストハウスふるさとで一息
標高1,706mのレストハウスふるさと、生憎の曇天に浅間山の姿は拝めず
レストハウスふるさとで休憩後、通常ならばそのまま国道299ロマンチック街道を下りきって、八千穂高原ICから中部横断自動車道の無料区間で軽井沢方面へ向かうのが定番であろう。 しかし今回は、シルバー・ストーンの到着時間に余裕があるらしく、県道480に分岐した松原湖経由のルートをたどることになった。
スケジュール管理は先輩幹事お任せにして(笑)、白樺とカラマツの林間を緩やかに下る快走路でライディングを満喫する。 また、この県道480は八ヶ岳ビューロードの愛称を持ち、林間が途切れる区間では一気に眺望が開け、北八ヶ岳連峰南端の根石岳((2,603 m)、天狗岳 (2,646 m)を仰ぐ絶景ルートとなる。
国道299から県道480に離脱、比較的緩やかな弧を描き松原湖へ下る
ちなみに松原湖は、887年の仁和地震で天狗岳が崩壊した土石流で、現在も近くを流れる大月川がせきとめられた自然湖である。 本来松原湖とは猪名湖、長湖、大月湖、3湖の総称らしいが、一般には一番大きな猪名湖が松原湖と呼ばれている。 八ヶ岳を望む標高1,123mの高地に位置し、12月には完全凍結するとのことである。
さて、県道480八ヶ岳ビューロードを下りきって松原湖駐車場にたどりつくと、皆で一周2km程の遊歩道を歩くことになった。 しかし歩き出して直ぐに、武田信玄に崇拝されたという松原諏方(すわ)神社に出会い、甲斐に詣でるほどの信玄ファンの親父はツーリング本隊から離脱し(笑)、独り松原諏方神社に参拝することにした。
天狗岳が崩落した土石流で生まれた松原湖、神秘的な雰囲気が漂う自然湖
平安時代に創建されたとされる松原諏方神社は、松原湖東南岸の上社と北東岸の下社に分かれている。 そして、今回参拝した上社本殿は明治時代に焼失し再建されたもので、その境内には、武田氏が諏訪侵攻の戦利品を寄贈した「野ざらしの鐘」があり、その長野県下最古の鐘は国の重要文化財に指定されている。
松原諏方神社上社の参拝を済ませ、さらに湖岸を散策していると、地元に伝わる松原湖の七不思議伝説の解説板をみつけた。 御神渡(おみわたり)、浮木明神(うきみょうじん)、木谺岩(こだまいわ)、屏風岩(びょうぶいわ)、星見の松(ほしみのまつ)、神座遠の松(かざをのまつ)、もろ葉のすすき...っと、その詳細は他の解説サイト等にゆずるが、実際に起こりそうな自然現象やそれに対する人々の畏敬を感じる伝説は、松原湖の神秘的な雰囲気をさらに高めることとなった。
武田信玄に崇拝された松原諏方神社、境内には国の重要文化財「野ざらしの鐘」
先輩幹事のルート調整で急きょ訪れた松原湖だったが、思いがけず武田信玄ゆかりの神社や興味深い伝説を知る貴重な機会となった。 タイミングよく湖岸の遊歩道を一周してきたメンバー達と合流して最後のトイレ休憩を済ませ、軽井沢のペンション・シルバーストーンへの最終行程へと走り出した。
その後、県道480は国道141に合流して千曲川沿いを下り、八千穂高原ICから中部横断自動車道の無料区間に駆け上がって佐久南ICまで一気に北上した。
そして、中部縦貫道佐久南ICから駆け降りてたどったのは、まずは国道254を下仁田方面へ走った内山峠(内山トンネル)で長野から群馬への県境を越え、さらに県道43(下仁田街道)の和美峠で群馬から長野への県境を越えて直して軽井沢にたどり着くルートである。
今回、何の予備知識も無くツーリングの隊列に繋がったのだが、道中の特徴ある景観や走り応えのあるワインディングが記憶に残るルートとなった。 チャント観どころやハシリどころを予習したうえで、もう一度たどってみたいツーリングルートである。
八千穂高原ICから佐久南ICまで、中部横断自動車道の無料区間を一気に北上する
さて、中部縦貫道佐久南ICは東信州の中央にあり、佐久市内はもちろん、軽井沢や上田、蓼科、白樺湖などの観光拠点として重宝する。 また、佐久南ICを降りた正面にある道の駅ヘルシーテラス佐久南は、佐久平の食材を活かした商品や生鮮食品が豊富で、復路に立ち寄れば東信州土産に困ることは無いだろう。
今回は宿にたどり着く最終行程ゆえ、佐久南ICを駆け下りた国道254を、下仁田方面へ向けてそのまま走り続けた。 その後国道254は、千曲川を越えて佐久市街を抜けると徐々に山深くなる。 そしてさらには、荒船山の火山活動で生まれた溶岩が風化してできた、様々な形の岩山が点在する内山峡の景色が始まる。
その後、長野から群馬への県境を越える内山トンネルを貫けると、大きく弧を描きながら下って行くダウンヒルが始まり、軽井沢方面へ北上する下仁田街道県道43への分岐に差しかかった。
国道254内山トンネルで長野から群馬へ県境を越え、ダイナミックな下りが始まる
軽井沢方面へと分岐した下仁田街道は、中山道の脇往還として上州と信州を結んでいた街道である。 国道254から旧街道の雰囲気を残す県道43に分岐すると、群馬から長野への県境を越える和美峠に向けて、その峠道は徐々に険しくなってて行く。 ツーリングの隊列を組んでの走行ながら、これでもかと続くタイトな九十九折れに我を忘れて走り続けた。
また、この和美峠を越える下仁田街道は別名”姫街道もみじライン”ともも呼ばれ、今の季節は瑞々しい紅葉が九十九折れの峠道を覆っている。 是非、紅葉が色づく季節に再訪してみたいところだが、天下の観光地へ続く紅葉ルートゆえ秋の混雑は推して知るべし。
下仁田街道県道43に分岐して、群馬から長野へ県境を越せる和美峠へと駆け上がる
下仁田街道県道43で和美峠を越え、中山道国道18に合流して軽井沢に差しかかると、明日の出発に備えて給油を済ませてペンション・シルバーストーンにたどりついた。
三河地方では想定外の雨に降られての走り出しとなったが、南信州に入ってからは雨も上がりドライコンディションの旅を満喫する旅となった。 早々にレインウエアーを着込むことになってしまったが、その後も曇天の高原ルートの気温は上がりきらず、防寒のアウターとして羽織ったままの到着である。
レインウエーには、防水機能にとどまらず、バタつき防止や座面の滑り止め、そして軽さや通気性など、ライディングウエアとしての機能を奢っておいた方が得策かもしれぬ。 毎度の雨旅を経てたどり着いた、mont-belのストームバイカージャケットとパンツ。 これがあれば雨の旅もまた楽し...ってのは言い過ぎだろうか(笑)。
三年振りのペンション・シルバーストーン、人生の節目を刻む特別の宿
さて、走り出しの雨で峠を繋ぐ単独ルートを諦めツーリング本隊に繋がる旅となったが、これまで訪れたことが無い松原湖や下仁田街道等々、自分では思いつかぬ旅の企画が新鮮だった。 また、マス・ツーリグを皆が滞りなく楽しむための、先輩幹事の段取りの良さを改めて学び直す機会にもなった。 共通の価値観を持った仲間と楽しく走るも良し、また独り気の向くままに走り続けるも良し、目の前を走り続ける先輩バイク乗りのように永く乗り続けたいものである。
そして、3年振りとなったペンション・シルバーストーンは、訪れる度に仕事や人生への向き合い方を気づかされる場所である。 盛沢山のツーリング行程と同様に、ここにたどり着くまでにレポートもかなりクドくなってしまった気がする(笑)。 初日のレポートはここまでとし、久しぶりに訪れたシルバーストーンの様子や迷える晴れふら親父の近況等々、さらにクドくなりそうなレポートは二日目に譲りたい。
・・・二日目に続く
ツーリング情報
道の駅 信州平谷 長野県下伊那郡平谷村252 (電話)0265-48-2911
月夜平大橋展望台(ハーモニックロード) 長野県下伊那郡高森町吉田2936
道の駅 花の里いいじま 長野県上伊那郡飯島町七久保2252番地 (電話)0265-86-6580
道の駅 田切の里 長野県上伊那郡飯島町田切2598-1 (電話)0265-98-5525
杖突峠 峠の茶屋 長野県茅野市宮川3372-27
レストハウスふるさと 長野県南佐久郡小海町千代里2088 (電話)0267-93-2004
松原湖(松原諏方神社) 長野県南佐久郡小海町豊里4775
道の駅 ヘルシーテラス佐久南 長野県佐久市伴野7-1 (電話) 0267-78-3383
ペンション・シルバーストーン 長野県北佐久郡軽井沢町長倉248 (電話)0267-46-2832
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