2024/12/20-21 年納め恒例伊勢志摩ツーリング(フラワーロード、パールロード、ゆうやけパール街道、亀山トラックステーション、与吉屋、大江戸温泉物語 志摩彩朝楽)


 コロナ禍を経て久しぶりの年納め恒例伊勢志摩ツーリングに参加することにした。 振り返ってみると、2004年から縁が合って参加するようになった会社OBツーリング、年納めの伊勢志摩ツーリングはその頃から続く恒例行事である。

 そして、その目的地は20年以上変わらず、パールロードを経由して志摩半島先端御座漁港の料理民宿に集うのが恒例になっていた。 リーズナブルな料金でふんだんに盛られた海の幸に驚かされてきたのだが、店主夫婦も高齢となり宿の切り盛りも辛い様子になっていた。

 そして、コロナ禍を経て久しぶりの参加となった今回の伊勢志摩ツーリング、営業状態が分からぬかつての定宿に代わり「大江戸温泉物語」に集う運びとなった。 宿の手配をはじめツーリングの段取りに骨を折ってくれる、先輩幹事には本当に頭が下がる思いである。

 また、先輩幹事からツーリング本隊の詳細な行程表が供されるので、思い思いのルートをたどり都合の良い場所で合流できるのも、遠方からの参加者が多いこのツーリングが長く続く由縁であろう。

 今回も、下道移動にこだわる本隊と別ルートをたどり、渋滞区間を高速道路に迂回させてもらうことにした。 初日の金曜は、名古屋から四日市にかけて国道23(名四国道)の渋滞を東名阪自動車道に迂回し、その後国道23(中勢バイパス)をひたすら南下して伊勢志摩を目指すことにした。 そして、高速道路利用で浮いた時間でこれまで20年間通った志摩半島先端の御座漁港まで走ってみるつもりである。 道中の景色と共に懐かしい記憶が蘇ってくるかもしれない。

 そして二日目の土曜は、国道260で海岸線をたどりながら紀勢町方面に足を延ばして、紀勢自動車道を経由して一気に帰還する目論見であった...がっ、週末の天気は生憎の下り坂、当日の天気予報を確認して帰還ルートを決めることになるだろう。

久しぶりの年納め伊勢志摩ツーリング、20年前から通った御座漁港で折り返す




ルート概要


(一日目)

東名阪自動車道鈴鹿IC-県27→伊船町東-フラワーロード→小野町西-国1→亀山トラックステーション-国1→東海道関宿東-県10-国23(中勢バイパス)→御津町-国23→通町IC-国42→二見JCT-国42(伊勢二見鳥羽ライン)→安楽島大橋北-県790→麻生の浦大橋-県128(パールロード)-パールロード→浦村かき「与吉屋」-パールロード→鳥羽展望台海女のテラス-パールロード-→パールロード鵜方入口-国260→御座漁港ゆうやけパール街道→あずり浜-国260→山寺-県602-市道-(近鉄志摩線踏切)→神明駅入口-国167→(近鉄志摩線踏切)→大江戸温泉物語志摩彩朝楽


(二日目)

大江戸温泉物語志摩彩朝楽-(近鉄志摩線踏切)-国167→賢島口-国167→パールロード鵜方入口-県128(パールロード、鳥羽展望台)→麻生の浦大橋-県790→安楽島大橋北-国42→二見JCT-県37→伊勢自動車道伊勢IC



ツーリングレポート(一日目)


 名四国道の渋滞を回避するために駆け上がった伊勢湾岸道だが、思いがけず名古屋港を跨ぐ名港トリトンから望む朝焼けに心を洗われることとなった。 今年一番の冷え込みとなった朝、キンッと冷えた空気もその景色の荘厳さに貢献しているのだろう。

 こんな朝焼けに感動できる感受性が残っているうちは、オートバイに乗り続ける意味があると呟く親父だが、こんな寒さに耐えられるかどうかは別問題と呟き直す(笑)。 そしてその言葉通りに耐えがたき寒さに耐えきれず、目に留まった伊勢湾岸道長島SAに駆け込んで身体を温め直すことにした。

 ちなみに今回の井出達は、防寒素材の薄手インナーにHYODのベスト型プロテクターAIR PROTECT VEST(HRZ914D)を装着し、KUSHITANIのウインタージャケットGALJACKET(K-2864)を羽織っての走り出しである。

 これまで、厚手のウインタージャケットや薄手のサマージャケットを着用する際には、プロテクターをどうするのか都度悩むことが多かった。 それに対し、今回着用したHYDOのベスト型プロテクターは、アウターに依存せずにフィット感が得られる優れものだった。 フロントファスナーで脱着も容易なので、今後夏冬ジャケットの選択肢を広げてくれことだろう。 随分と気の早いことだが、来年夏のツーリングで、通気構造のプロテクターの風通しを確認をしたいところである。


伊勢湾岸道長島SAで身体を温め、東名阪道鈴鹿ICに向けて走り出す


 さて、伊勢湾岸道長島SAでトイレ休憩を済ませ、冷えた指先を暖めて体温をリセットすると、東名阪自動車道鈴鹿ICにむけて再び走り出した。 名古屋~四日市の臨海工業地帯を貫ける名四国道の渋滞を回避するため、伊勢湾岸道で名古屋港を飛び越えて東名阪自動車道鈴鹿ICまで迂回する算段である。

 そして思惑通り滞ることなく東名阪道鈴鹿ICまで走りきると、幹線国道1を北側にバイパスする広域農道フラワーロードへと走り続けた。


緩やかな丘陵を抜ける広域農道フラワーロードで亀山方面を目指す


 その後、広域農道フラワーロードは緩やかな丘陵を抜け、シャープ亀山工場の脇へと分岐して国道1に突き当たって終りとなる。 ちなみに、そのままフラワーロードを直進し続けると、道なりに県道11の狭道を貫けて旧東海道関宿にたどり着くことができる。

 年末恒例の伊勢志摩ツーリングに通いだした20年程前、液晶テレビの「世界の亀山」ブランドの象徴として稼働したシャープ亀山工場。 亀山市はシャープ亀山工場の操業とともに地方交付税の不交付団体となり、操業不振とともに再び地方交付税の交付団体に転落した。 工場のユーティリティ施設から立ち昇る煙が、集中治療室に入れられた日の丸液晶の生存を知らせる生体モニターのように映る。


世界の亀山で名を馳せたSHARP亀山工場、創業を続ける日の丸液晶の残像


 さて、広域農道フラワーロードが国道25に突き当たると、国道沿いで営業する亀山トラックステーションに立ち寄ることにした。 トラックドライバーご用達の食堂で温かい朝食を取り、高速道路移動で冷え切った身体を腹の中から温める算段である。 宿泊や入浴施設を備えたこの施設、トラックドライバーの利用がほとんどだが一般の利用客も気軽に利用できる。


宿泊施設も備えた亀山トラックステーションの朝食で身体を暖める


 受付のおじさんと挨拶を交わすと、壁に貼られた人気番付入りのメニュー写真を眺めて注文を思案する。 入り口の販売機で食券を購入すると注文が通り、厨房カウンターから配膳を知らせる声がかかる仕組みのようである。

 伊勢志摩まで一気に走りきるエネルギー補給のため、人気No2を冠する「ホルモン定食」で景気付けするつもりだったが...生憎午前10時までは朝食メニューしか販売されておらず、少し上品な「ハムエッグ定食」580円也を注文することになった(笑)。

 しかし配膳された定食飯は、朝食メニューだからとは言わせぬ盛りっぷりであった(汗)。 米価高騰によるお代わり無料サービス中止の詫びが貼られていたが、お代わり飯100円也のさらなる盛りっぷりは推して知るべし。


ハムエッグ定食580円也、大盛りの飯で腹一杯になる


 亀山トラックステーションの朝食で腹を満たし国道1を関宿東交差点まで移動すると、県道10に分岐して伊勢志摩方面への南下を開始した。 しばらくは、県道10を道なりに走って交差した国道23中勢バイパス高架に駆け上がり、その後は流れの良い幹線国道をノンストップで走り続けることとなった。

 そして国道23が伊勢市に差し掛かると、伊勢神宮への案内標識をやり過ごしながら国道42へと走り継ぎ、鳥羽水族館の観光客で賑わう鳥羽市街へとたどり着いた。 程よい流れの幹線国道の移動は、体温を奪われ過ぎることもなく快適であった。


国道23から国道42へ走り継ぎ、鳥羽水族館の観光客で賑わう鳥羽市街へ


 その後、鳥羽水族館と伊良湖行フェリー乗り場を過ぎて道なりに走り続けると、いよいよ複雑に入り組んだ伊勢志摩リアス式海岸沿いの峠道にさしかかり、パールロードの鳥羽側起点となる麻生の浦大橋にたどり着いた。

麻生の浦大橋からパールロードへと駆け上がる


 パールロードは鳥羽と志摩を結ぶ全長23.8kmの一般道だが、2006年に無料化されたかつての観光道路は現在も良く整備され、展望所などの観光施設も廃墟化することなく営業を続けている。 パールロードに差し掛かると丁度昼時となり、パールロード沿いで営業する牡蠣小屋を探すことにした。

 しかし、目が血走った焼き牡蠣の食べ放題客に混じる気力は無く(笑)、落ち着いて定食をいただけそうな浦村かき「与吉屋」に立ち寄ることにした。 パールロードに駆け上がって程なくたどりつく与吉屋、店の脇から見下ろす生浦湾で浦村牡蠣の養殖や加工を営む共栄物産直営の食事処である。


浦村かき「与吉屋」で昼食、共栄物産が営む食事処


 浦村かき「与吉屋」の店内に入ると、生浦湾を見下ろす窓際の席に案内され落ち着くこととなった。 そして、かさばる冬装備を脱ぎながら注文したのは、人気No1とあった「牡蠣定食」2,500円也。 生牡蠣、焼牡蠣、牡蠣フライ、牡蠣飯、牡蠣佃煮、小鉢の南蛮漬け...と、牡蠣定食の名に恥じぬ品数である。

牡蠣定食2,500円也、生牡蠣、焼牡蠣、牡蠣フライ、牡蠣飯...と盛沢山


 そして配膳された牡蠣定食、猛暑による育成不漁のせいか牡蠣の身は幾分小ぶりだが、それでも濃厚な旨味の生牡蠣、香ばしい焼きで旨味が増した焼牡蠣、薄衣でふっくらと揚った牡蠣フライ、そして牡蠣まみれで旨味が滲みた牡蠣飯、どれもこれも滋味深い品々を満喫する贅沢飯となった。

 ちなみに、2024年10月に2,000円から2,500円に値上げされたばかりの牡蠣定食だが、海水温の上昇による育成不漁や高齢化による担い手不足により生産量が落ち込む浦村牡蠣ゆえ、その程度の値上げで気まぐれなバイク親父がふらっと立ち寄れる店が続くなら御の字であろう。

 大満足の浦村牡蠣の定食で腹を満たした後、ゆっくりと身支度を整えてパールロードへと走り出した。 ここからしばらくは、太平洋に臨む鳥羽展望台海女のテラスにむけて、リアス式海岸の崖っぷちに沿った駆け上がりが続く。

浦村牡蠣を堪能した後、鳥羽展望台に向けパールロードを駆け上がる


 やがて鳥羽展望台にさしかかると、パールロードから分岐して標高162mの箱田山山頂に駆け上がり、250台収容の無料駐車場にたどり着くこととなった。 そして、伊勢志摩リアス式海岸を眼下に見下ろす展望台からは、伊良湖から御前崎へ続く渥美半島の海岸線や、地球の丸さを体感できる太平洋を望むことが出来る。

 今更ながらではあるが、鳥羽展望台は1973年のパールロード開通に合わせて開業し、2002年には民営化された食堂や売店を備えた観光施設である。 コロナ過を経た2022年には、海女のテラスとしてcafeとShopをリニューアルオープンさせている。

 これまで、無料化により放置されたかつての観光道路が荒れ果て、付帯施設も閉鎖されるケースを目にしたこともあり、地道な地域振興事業をつづける企業努力と支援行政には感心させられる。 生憎この日は、極寒の平日、酔狂なバイク親父の他に観光客の姿が見えぬのは想定内のことだろう。

鳥羽展望台海女のテラス、地球の丸さ体感できる太平洋の眺め


 さて、鳥羽展望台で一息ついてパールロードに復帰すると、緩やかな下りワインディングを志摩方面へ向けて走り続けた。 海岸線の見通しが開ける場所は限られるが、鎧崎灯台から大王崎灯台へと続くリアス式海岸線を見下ろすことが出来る。

パールロードから鎧崎灯台から大王崎灯台へと続くリアス式海岸を見下ろす


 その後パールロードは海岸線から逸れて山間を下って行き、的矢湾大橋を渡った志摩スペイン村を経て終わりとなる。

 パールロードを終点まで走り終えると、走り始めの名四国道の渋滞を伊勢湾岸道と東名阪道に迂回し、その後も流れの良い幹線国道を一気に南下したおかげで、ホテルの現地集合時間までまだ十分な時間が残ることとなった。

 そして思案した結果、恒例の年納めツーリングに20年間通い続けた、志摩半島先端の御座漁港まで足を延ばしてみることにした。 パールロード終点から志摩半島へ向かう国道260に分岐すれば、志摩パールブリッジなど英虞湾に架かるいくつかの橋をわたり、道なりに志摩半島先端の御座漁港にたどり着ける。


英虞湾に架かる志摩パールブリッジ、真珠色に塗られた全長234mのアーチ橋


 志摩半島の内陸を真っすぐに貫ける国道260を走り続けると、記憶に残る景色を繋ぎながら半島先端の御座漁港までたどりついた。 そして一見何も変わらぬ漁港の景色の中に、通い続けてきた料理民宿を見つけると、営みの気配が消えた宿の変わりように言葉を失った。

 今更ながらではあるが、こういう懐かしい思い出が途絶える場面に遭遇すると、あらためて諸行無常の世の中を認識させられる。 いつか終わりが訪れるのは自然なこと、決して悲観することでは無いのだが、二度とない刹那々々を心に刻んでおきたいと考えさせられる。 世の中に永遠なるものは存在しないが、少なくとも己が生きているうちは、消える事の無い思い出として存在し続ける。

 ちなみに、20年間通ったこの宿の思い出タグを手繰ってみると、てんこ盛りの海鮮料理ばかりでは無く、雪に降られて凍えまくったことなど、むしろ辛いことの方が記憶に残っている(笑)。 そして亡くなった先輩との他愛もない会話、絶えることのない仕事のプロ意識やバイクへのこだわり、そしてエンジンをかける後ろ姿...オートバイと言う共通の価値観でつながったこの宿の思い出は生涯消えそうにない。 そして、自分の目の前に乗り続ける先輩達がいれば、背中を追わないわけにはいかないでしょう(笑)。


志摩半島先端の御座漁港、残念ながらかつての定宿に営み気配は無かった


 これからはここを訪れることも無いだろうと御座漁港から走り出すと、志摩半島南岸の太平洋沿いを走るゆうやけパール街道へと折り返すことにした。 集落を繋ぎながら時折太平洋の見通しが開けるゆうやけパール街道、道なりに走り切れば往路の国道260に合流することが出来る。


御座漁港から折り返したゆうやけパール街道、あずり浜から太平洋の眺め


 ゆうやけパール街道があずり浜海水浴場にさしかると、宿の現地集合時間もさしせまりGoogle Mapのナビゲーションをセットして宿を目指すことにした。

 宿泊する「大江戸温泉物語 志摩彩朝楽」は、志摩半島と英虞湾を挟んだ北側に位置する。 国道260の山寺交差点から山間を貫ける市道に分岐して、英虞湾東岸をトレースするように北上した。

 そして、20分足らずの距離と深く考えすに走り出したのだが、Googleナビに案内されたのはタイトな切り返しがこれでもかと続くご機嫌な峠道であった! Google先生からの思わぬプレゼントに気をよくした晴れふら親父は、最近W800streetに履かせたセミラジアルの足を少しばかり削って、目的の「大江戸温泉物語 志摩彩朝楽」にたどりついた。

 その後、既に先着していたメンバー達と挨拶を済ませチェックインを終えると、程なくツーリング本隊も到着し皆無事に初日の行程を終えることとなった。


大江戸温泉物語 志摩彩朝楽、皆無事に到着し初日の行程を終えた


 さて、2003年に開業した大江戸温泉物語だが、2007年からは、経営破綻した旅館や不振の公共宿泊施設など地方の温泉宿の買収をはじめ、全国的に「大江戸温泉物語」のブランドを展開しているホテルチェーンである。 さらに、2024年には湯快リゾートを大江戸温泉物語に経営統合し、現在は67の大江戸温泉ブランドを全国展開している。

 個人的に共感できるのは、インバウンド狙いの外国人向け金稼ぎではなく、日本人に上質な温泉旅行を気軽に楽しんでもらう、という大義を掲げていることであろうか。

 経営に関しては、まるでビジネス教本のようなネタがてんこ盛り(笑)。 居ぬき展開による立ち上げコスト削減、バイキング形式の食事による人件費削減、グループによる調達コスト削減等々、革新的な効率化を実現している。

 そして大幅な効率化で実現したコスト競争力を、リーズナブルなサブ・ブラント展開につなげて、短期の投資回収で時代に応じた事業を展開して行く手法には感心させられる。 その他、ブランディング・プロモーション、予約システム、販促キャンペーン等々、ブレる事の無いマーケティングのフィットがてんこ盛りなのである。 

 右肩あがりの大江戸温泉物語、外資系ファンドが株主ってのが微妙なところだが、冒頭で述べたの企業理念と投資家の利益回収がどこで折り合うのか興味は尽きない。 それは兎も角、バイク乗り向けに充実した施設やサービスを立ち上げてほしいところだが...「大江戸温泉早馬物語」ってのも悪くないが、儲かりそうにないな(笑)


これでもかと並ぶバイキングに五里霧中、ここはのっけ丼の一角


 集う宿が漁港の料理民宿からブランドチェーンホテルに変わっても、苦楽を共にしたベテランバイク乗り達の宴の話題は変わらず、二割は年季が入った愛車のメンテナンスのこと、一割は年季が入った乗り手のメンテナンスのこと(笑)、そして残りの七割はツーリングの思い出話。

 真冬のライディングで冷え切った身体を、新美里温泉が源泉のアルカリ性単純泉でじっくりと温め、夕食のバイキングに追加した吞み放題90分プランが終了しても、尽きることのない思い出話に花が咲き、充実したツーリング初日を終えることとなった。



ツーリングレポート(二日目)


 朝食バイキングを終えてチェックアウトを済ませると、走り出す準備を整えながらいつ降り出してもおかしくない暗い空を恨めしくみあげる。 残念ながら二日目の天気は下り坂、伊勢志摩から名古屋へと、雨雲に追いかけられながら北上することになりそうだ。

 当初の予定では、国道260で海岸線をたどりながら紀勢町方面に足を延ばして、紀勢自動車道から伊瀬自動車道へと走り継いで一気に帰還する目論見であったが、その行程は別の機会に譲らざるを得なくなってしまった。

 結果的に今回の帰還ルートでは、まずはツーリング本隊に繋がってパールロードを走り、鳥羽市街から伊勢二見鳥羽ラインへと折り返すことにした。 その後、下道を走り続ける先輩達と別れの挨拶を交わし、伊勢自動車道に乗って名古屋方面へ一気に帰還する算段である。

 そして、先輩達と別れて伊勢自動車道に乗ると直ぐに、みぞれ混じりの小雨を降らすぶ厚い雲に出迎えられることになった。 たまらず目に留まった嬉野PA(上り)に駆け込み、オーバー・パンツを羽織って帰路を仕切り直すことにした。 そして、帰還ルート短縮のバタバタで土産を購入できていなかったことを思い出し、嬉野PAの売店で購入した赤福をタンデムシートに括り付けて再び伊勢自動車道へと走り出した。


伊勢自動車道嬉野PAでオーバー・パンツを羽織り帰路の仕切り直し


 その後、伊勢自動車道から東名阪自動車道へと走り継ぐ頃には雨雲を追い越し、ドライコンディションの名古屋に無事帰還することとなった。

 今回は、久しぶりの年末恒例の伊勢志摩ツーリングに参加し、独りで思い出が残る漁港の料理民宿やその道中を辿ってみた。 20年以上の時が流れて己を取り巻く世の中は随分と変わってしまったのだが、亡くなった先輩との他愛もない場面や会話などがフラッシュバックして、その時代にタイムスリップしたような不思議は感じがした。

 齢を重ねると思い通りに行かぬことも増えてきて、安閑としてばかりもいられぬのが現実だろうが、そんな他愛もない思い出が傍らにあれば、いつか人生を終える瞬間にも”ニヤリ”と笑うことができるかもしれない(笑)。 



ツーリング情報


亀山トラックステーション  三重県亀山市小野町桜口586-4 (電話)0595-82-3936


浦村かき「与吉屋」  三重県鳥羽市浦村町1414-15 (電話)0599-32-5520


鳥羽展望台 海女のテラス  三重県鳥羽市 国崎町大岳3-3 (電話)0599-33-6201


大江戸温泉物語 志摩彩朝楽  三重県志摩市阿児町神明687-2 (電話)050-3615-3456



0コメント

  • 1000 / 1000