W800 streetとライディング vol.5(MICHLIN ROAD CLASSIC)



MICHLIN ROAS CLASSICのプロフィール


 W800streetの走行距離が8000kmを越え、リアタイヤのスリップサインが出たDUNLOP K300GPを前後とも交換することにした。 そして標準装備のDUNLOP K300GPから換装したタイヤは、2021年に発売されたMICHLINのROAD CLASSIC(F:100/90-18、R:130/80-18)、先代のPILOT ACTIVEを16年振りにモデルチェンジした最新のバイアスタイヤである。

 DUNLOP K300GPを乗り込んでいくうちに、倒しこみのレスポンスが良い反面直進安定性に欠け、バンキングも制御しずらいと感じるようになっていた。 また旋回中に路面を掴む感覚が得られず、どこまで負荷をかけてよいのか限界も掴みづらかった。

 それらの原因を、K300GP特有の仕様と言うよりもバイアスタイヤのプロファイルに起因すると考え、ベルテッドバイアス構造を採用するROAD CLASSICを選択した次第である。 また、ハイグリップタイヤ並みのライフの短さの解消にも期待したいところである。

 蛇足ながら、ベルベットバイアスタイヤとは、バイアスタイヤのカーカスにラジアルタイヤのベルトを組み合わせた構造で、ラジアルタイヤが主流になってきた1970年代にバイアスタイヤの性能を補うために考案されたものである。 最近のネオクラシックカテゴリーをターゲットに、最新のバイアスタイヤとしてリメイクしたミシュランの商品企画に乗ったわけである。


換装後の印象


 結論を言えば、バイアスタイヤにラジアル構造を組み合わせた、MICHLIN ROAD CLASSICの乗り味は、期待した通りの結果であった。 操作性は乗り手の好みによるところも大きいのだろうが、手放しでも真っすぐに走り続けてくれる直進安定性は、何とも分かりやすいDUNLOP K300GPとの違いであった。

 その直進安定性とともに、バンキングの制御性が格段に向上したので、特にタイトなコーナーが連続する場面でも、思い切りよく切り返していけるようになった。 また、バンク角を深めていったときに、トレッド・エッジで路面を掴むような感じが得られるのも、ベルテッドバイアス構造の効果かもしれない。

 そんなバンキングのレスポンスと制御性のバランスは、晴れふら親父が想い描いている、アップライトなポジションの腰下でW800 streetを操るライディングとの相性も良さ気なのである。

 また、DUNLOP K300GPの場合、リアタイヤのトレッド端をかなり残してスリップサインが出てしまったが、MICHLIN ROAD CLASSICではトレッド全体を使い切ることが出来そうだ。 換装したバックステップの効果かも知れぬが、ベルベッド・バイアスタイヤの緩やかな断面プロファイルよるところも大きいと感じている。

 最後にグリップ性能やライフについては、これから訪れる本格的な夏場の峠で、さらに走り込んでトレッドの削れ具合等を確認して行きたい。 またウエット性能を語らねばならぬ場面には遭遇したくはないが(笑)、ウエット性能50%向上(前モデルのPILOT ACTIVE比)を掲げて、前後共にシリカコンパウンドを採用し、ボイドレシオ26%のトレッドデザインを施したミシュランの設計仕様を信じたいところである。


ROAS CLASSIC(前輪)、ベルベッドバイアス構造の緩やかなプロファイル


ROAS CLASSIC(後輪)、トレッド端まで使い切れるようになった



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