#映画 「ドラゴンタトゥ―の女」
ぶっ飛んだストーリー展開に退屈しない、そして世の中の痛い現実が身に染みる作品、特にバイク乗りだから分かるリアリティーがたまらない...「ドラゴンタトゥ―の女」はスティーグ・ラーソン原作、デヴィッド・フィンチャー監督のミステリー・サスペンス、2011年アメリカ映画。 主演は、ミカエル・ブルムクヴィスト役のダニエル・クレイグと、リスベット・サランデル役のルーニー・マーラ。
スゥエーデンのヴァンゲル財閥の元会長ヘンリック・ヴァンゲル老人から、40年前に一族で起こった少女疾走事件の調査を依頼された忖度抜きのジャーナリストミカエルが、背中にドラゴンタトゥを入れた天才ハッカーリズベットを助手に、未解決の連続猟奇殺人事件の謎を追い少女疾走事件の真相を解き明かすストーリー。 R15+指定のタフなシーンが含まれるため、家族の団欒で鑑賞するには気まずいかもしれぬ(笑)。 ”ぶっ飛んだストーリー展開”がネタバレせぬよう、ストーリーに関して触れるのはここまでにとどめておきたい。
一方で、身に染みた”世の中の痛い現実”とは、世の中に善人を装った変態や、成功者の殻をかぶったサイコパスが世の中に存在する現実、そして社会的な弱者がその犠牲者になる現実である。 辛い境遇を克服して生き抜くリズベットのような存在は非現実的かもしれぬが、全編を通して追求されるリアリティーに痛い現実を思い知らされる。
まずは、ダニエル・クレイグのはまり役、マッチョでタフなな007ジェームズ・ボンドと、腕っぷしが今一の記者ミカエルのギャップがリアル。 また、ルーニー・マーラが演じる全身ピアスのリスベットのリアルな痛い演技が秀逸である。 そして、リスベットのアイデンティティを印象付ける、ダートタイヤ仕様のカフェレーサーに目を奪われる。
そのCL350ベースのカフェレーサーは、映画撮影にコンセプトバイクを作製するGlory Motor Worksが提供したもの。 高価な最新SSが雑に乗りまわされ、悪路で突然ブロックタイヤ仕様に変わったり、バイク乗りから見れば興ざめする不自然な描写は皆無、車両価格やスリッピーな乗り味までリアルにイメージ出来るのはバイク乗りの特権であろう。
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